2018年下半期の相場について考えてみる
上半期ですでに色々と波乱があった2018年ですが、下半期も重要イベントてんこ盛りです。資料やアノマリーを踏まえて大ざっぱな流れを考えてみます。
当初7/1までに記事を書き上げる予定でしたが、品川で開催された楽天証券のセミナーに行っていたので遅くなってしまいました。セミナーは明るいうちに終わりましたが、総会マニアにとって鬼門であるお台場ルートの開拓のために、徒歩でレインボーブリッジを渡ったり、お台場からメトロ駅への行程を模索していました。このくだりは後日、別の記事で書きたいと思います。
下半期1日目から日経平均が一時マイナス500円を超す大暴落でした。
かなり売りシグナルが集中しているということを書くつもりだったので、後出しジャンケンみたいで記事を書くのもバツが悪いのですが、落としどころを考える意味でも言語化していきたいと思います。
まずは2018年上半期のおさらいから。
2018年上半期の主な出来事
▼暗号通貨関連
・ビットコインが200万円から100万円へ急落(1月~2月上旬)→6月末70万円前後
・コインチェックから580億円相当のNEMが流出(1/26)
・マネックスグループがコインチェックを買収し子会社化(4/6)
・モナコインが51%攻撃を受ける(5/15)
▼株関連
・日経平均が24124.15円と終値で24000円を超える(1/23)
・【2049】VIXインバースが即死条項により早期償還される(2/6)
・シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営会社が経営破綻(4/18)
・【1606】日本海洋掘削が経営破綻(会社更生法の申請)(6/22)
2018年下半期に向けての現状把握
7月相場直前の指標まとめ
ヒンデンブルグオーメンが点灯
▼6月1日と6月18日に日本版ヒンデンブルグオーメンが点灯していました。
暴落のサインとしてはかなり強烈なやつで、下落した場合の値下がり率が大きくなりやすいのが特徴。大暴落の直前に点灯することが多いです。
ヒンデンブルグオーメンをすごく大ざっぱに説明するとこうなります。
「指数は堅調なのに体感日経平均マイナス300!安値更新銘柄多すぎぃ!!」
6月後半は小型株はずっとこんな感じで違和感バリバリでした。
さらにNT倍率の19年ぶりの高値も話題になっていました。
参考:ウィークリーレポート(2018年6月1日号) – 光世証券
ウィークリーレポート(2018年6月22日号) – 光世証券
▼ニューヨーク証券取引所のヒンデンブルグオーメンも6/15(金)引け後に点灯。
それ以前の6/12(火)からダウが続落し、怪しい雲行きでした。
2018年6月、ダウ8営業日続落前後の株価推移
6/08 25316.53 ---
6/11 25322.31 ( +5.78)
6/12 25320.73 ( -1.58) 1日目
6/13 25201.20 (-119.53) 2日目
6/14 25175.31 ( -25.89) 3日目
6/15 25090.48 ( -84.83) 4日目(引け後NYSEヒンデンブルグオーメン点灯)
6/18 24987.47 (-103.01) 5日目
6/19 24700.21 (-287.26) 6日目
6/20 24657.80 ( -42.41) 7日目
6/21 24461.70 (-196.10) 8日目
6/22 24580.89 (+119.19)
6/25 24252.80 (-328.09)
ダウ工業株30種平均とヒンデンブルグオーメンには直接的な関係はありませんが、相場付きが怪しいのは見て取れると思います。
空売り比率
▼空売り比率が40%を超えると株価は調整しやすい傾向があります。
そして6月18日以降の空売り比率は10営業日連続で40%超を記録していました。
2018年前半の最長記録は1月25日~2月23日の21営業日連続でほぼ1ヶ月です。
1月23日は終値で24000円を超えた唯一の日で、達成感から売りに売られました。
1月25日終値23,669.49→2月14日場中安値20,950.15→2月23日終値21,892.78と推移、様々なイベントを挟み激動の1ヶ月でした。
また、2018年前半の最大空売り比率は3月23日の50.3%となっています。
3月23日は前日比で日経平均が一時1000円超の値下がりを記録した日でもあります。
大暴落の結果、買い建玉が返済を余儀なくされ、空売り比率が最大化されました。
翌日のリバウンドにより踏み上げられ45.1%まで急落、オーバーシュートを咎められている印象があります。
日経平均が約500円下落した7月2日は43.0%から47.6%へ上昇しました。
47.6%は買い方がギリギリ耐えている感じで、この後すぐにリバウンドするのか底抜けするのかは判断が難しいところです。体感だと寝耳に水の下落でこれといったリバウンドもなく出来高的にセリクラ感に乏しかったように思います。
米国:中間選挙の年の夏相場は弱いアノマリー
▼11月の投票日までは冴えない相場になりやすいです。
投票が終わると上昇しやすい傾向がありますが、夏場は期待できません。
2018年9月15日はリーマン・ブラザーズ破綻から10周年、その後の10月も嫌な思い出がいっぱいありますね…。
弱い上海総合指数
▼下げ止まらない上海総合指数
2015年のチャイナ・ショック直前には5178ポイントを記録した上海総合指数。
2017年末3307.17を基準として、2018年の終値での高値は1/24の3559.47(+7.62%)
これが6/18(月)端午節の祝日を含む3連休明けとなる6/19には2907.82(-12.08%)
6/28には上半期安値の2786.90(-15.73%)、7/2終値は安値更新の2775.56(-16.08%)
日本株で例えると2017年末22764.94円に対し7/2終値は19105.59円に相当します。
どう考えても上海弱すぎますね。明日は我が身で気を引き締めましょう。
7月は2日新甫(ふつかしんぽ)
▼「2日新甫は荒れる」という格言があります。
実際に荒れるかどうかは別にして軽く考察してみます。
7月1日が日曜日なので結果的に1営業日目の月曜日は2日新甫となります。
当然、SQとなる第2金曜日は13日です。しかも月齢は新月。
月齢が満月や新月だと変化日になりやすいというオカルトがあります。
13日の金曜日もどことなく嫌な雰囲気を醸し出しています。
こういうのが重なると背筋がゾクゾクして何か起こりそうな予感がします。
【1606】日本海洋掘削についての考察2/投資戦略
6/12の記事では、公開された資料から【1606】日本海洋掘削を取り巻く環境を分析し、どうやらかなりヤバそうだという話をしました。
その後、日本海洋掘削は会社更生法の適用を申請しました。いわゆる倒産です。
これを受けて、東証は日本海洋掘削株式の上場廃止を決定し、整理銘柄に指定しました。
上場廃止等の決定:日本海洋掘削(株) | 日本取引所グループ
整理銘柄指定期間:2018年6月22日(金)~2018年7月22日(日)
上場廃止日:2018年7月23日(月)
実質的な売買可能日は6月25日(月)~7月20日(金) の19営業日です。
6月25日(月)は値幅制限があるので1279円→979円(-300円)でストップ安となり、売買は成立しないと思われます。では日本海洋掘削の倒産に関して何もできないことはないのでしょうか?
本丸である日本海洋掘削がストップ安張り付きで何もできない裏で、投資家には何ができるのか想像してみましょう。私もいくつかのアイディアを思いつきましたが、このアイディアは共有すると利益が希薄化してしまうものなので後ほど追記する形になると思います。このアイディアが機能したかどうかも検証していきます。
2018年6月26日(火)の日本海洋掘削の売買について
6月25日の大引け後に制限値幅の撤廃と基準値段の変更がアナウンスされました。
売買の取扱いについて:日本海洋掘削(株)株式 | 日本取引所グループ
整理ポスト指定から2営業日後に制限値幅が撤廃されるのが恒例ですが、基準値段の変更というのはなかなかありません。確認してみましょう。
今回だけの特殊ルール(基準値段の変更)
基準値段 500円(前日終値979円に対してほぼ半額スタート!)
値幅上限値 600円
値幅下限値 1円
この値幅1円~600円は注文可能な値幅という意味です。
値幅下限については最初の約定値段が決定するまでの時限措置です。
50円で寄り付くことになればその日の制限値幅は20円~600円となります。
下限が固定されればその金額未満の注文は取り消されると思われます。
制限値幅のルール
一般的な制限値幅のルールは日本取引所のサイトで確認できます。
今回必要そうな部分だけ抜粋すると以下のようになります。
100円未満 30円
200円未満 50円
500円未満 80円
700円未満 100円
最初の約定値段が31円以下であれば下限は1円となります。
32円~99円だと約定値段マイナス30が下限に
100円~199円だと約定値段マイナス50
200円~499円だと約定値段マイナス80
500円~600円だと約定値段マイナス100
値幅上限については600円で固定されると思われます。
マネーゲームになるなら即日テンバガーすら狙える6月26日でしょう。
特別気配の更新値幅
500円スタートとは言え、約定するまでは規定のルールに則って推移します。
仕組みを確認してタイムスケジュールを組み立ててみましょう。
特別気配の更新値幅 | 内国株の売買制度 | 日本取引所グループ
必要な部分だけ抜粋します。
200円未満 5円
500円未満 8円
700円未満 10円
また、特別気配の更新間隔についても記載されています。
売買の取扱いについて:日本海洋掘削(株)株式 | 日本取引所グループ
2.気配の更新について
特別気配については、通常値幅・3分間隔で更新します。
1円張り付きまでのスケジュール
基準値段は500円ですが、買い気配・売り気配によって9:00時点で気配の更新があると思われます。500円以上700円未満の更新値幅は10円です。
基準値段:500(ここより上は更新値幅10円)
09:00 490(ここから200円未満まで更新値幅8円)
09:15 450
09:30 410
09:45 370
10:00 330
10:15 290
10:30 250
10:45 210
10:51 194(ここから更新値幅5円)
11:00 179
11:15 154
11:30 129
後場寄りも前寄り同様に値幅更新があるはずです。
12:30 124
12:45 99
13:00 74
13:15 49
13:24 34
13:27 29
13:30 24
13:33 19
13:36 14
13:39 9
13:42 4
13:45 1
さすがに即日1円張り付きはないとは思います。
日本海洋掘削の逆日歩
日本海洋掘削㈱株式に係る貸借取引品貸し申込みにおける品貸料の最高料率10倍適用について(6/25)
6月26日以降は当面逆日歩10倍のようです。
6月26日は火曜日なので持ち越すと3日分、実質30倍です。
最高料率については日証金に一覧表が掲載されています。
よくある質問 | 貸借取引について | 日本証券金融株式会社|貸借取引情報
終値によって逆日歩の金額が変わってくるのでこれもシミュレーションしておきます。
横軸の売買単位:100株単位(1株単位と比べるとかなり優しい逆日歩です)
縦軸の投資単位:~5万円(1単元の金額です。100円×100株なら1万円)
貸借値段:~500円(その日の終値)
最高料率:1円(1株当たりの金額です)
6月26日(火)に制度信用売りを持ち越した場合、
終値が500円以下であれば(おそらくそうなるでしょう)、
1株当たりの逆日歩は「最高料率1円×10倍適用×3日分」となり、
MAXで30円(1単元100株で3000円)となります。
終値2桁で持ち越した場合、最悪翌日のストップ安相当の逆日歩が発生するわけです。
逆を言えば制度信用の買い方は決済しない選択肢を得ることになります。
ちなみに売買単位が1単位だった場合、終値30円で逆日歩MAXだと
「最高料率100円×10倍適用×3日分」となりMAX3000円です!
軽く破産しますのでルールを学んでおくことは非常に重要です。
一方、買い方は持ち越しただけで100倍です。
現実にこういうことはめったに起こりませんが、売り方の持ち越し額に対して100%を超える逆日歩が発生することは過去にありました。
興味がある方は「音通 9万円 素麺」等で検索してみてください。
(※6月26日大引け後追記ここから)
6月26日(火)の日本海洋掘削売買反省会
前日比-90%超という派手は値下がり率ではあったものの、倒産株としての売買は低調な印象でした。考えられる原因は三つ。
・浮動株が極端に少ない
・IPOラッシュの真っ最中
・寄り付きの値段が高すぎた
こんなところです。それぞれ掘り下げてみます。
浮動株が極端に少ない
発行済み株式総数がわずか1800万株です。
一般的な倒産企業だと大規模な増資や株式分割で株式総数が1億株を超えることがよくあります。日本海洋掘削はIPO時の新規発行以降は増資もなく株式分割も行っていません。
さらに上位10社の大株主だけで1234万株、実に株式総数の2/3超を占めています。
6月25日(月)の売り玉はおよそ420万株だったので、実弾としての浮動株は500万株以下ではないでしょうか。
6月26日(火)の寄り付きは79円×306万4500株で売買代金は2億4209万5500円。
これではマザーズ銘柄のIPOの公募株よりボリュームがありません。
IPOラッシュの真っ最中
超大型IPOのメルカリを含め、マネーゲーム化しやすい小型IPOなどが立て続けにありました。倒産株に手を出さずとも類似案件には事欠きません。時期が悪い!
6/19火 【4385】メルカリ 吸収金額1306億円
6/20水 【6579】ログリー 吸収金額9.6億円
6/21木 【4386】SIG 吸収金額6.85億円
6/21木 【4387】ZUU 吸収金額4.6億円
6/21木 【9273】コーア商事HD 吸収金額11.3億円
6/26火 【9274】国際紙パルプ商事 27.6億円
6/27水 【4388】エーアイ 吸収金額6.52億円
6/27水 【4389】プロパティデータバンク 吸収金額7.73億円
6/27水 【4390】アイ・ピー・エス 吸収金額14.3億円
6/29金 【7030】スプリックス 吸収金額152億円
さらに【4391】ロジザードの抽選が6/25月、【1446】キャンディルの抽選が6/26火となっていて、ブックビルディングのための待機資金が必要でした。
6/26火にIPOだった国際紙パルプ商事は、一部で「パルプンテ」と呼ばれていました。その愛称の期待を裏切らず、とんでもないやらかし事件が勃発していたのです。
パルプンテ事件
主幹事のみずほ証券がシステムエラー終日ログインができず、当選した人さえ発注ができませんでした。公開価格344円に対し初値は450円、初値から1分後に高値470円を付けた後は急落し、後場はストップ安の370円に張り付き、大引けの比例配分のみの商いとなりました。ホルダーは気が気ではありません。
かの有名なジェイコム事件以来の、みずほ証券の大チョンボです。
株主総会ラッシュ
それに加えて6/26火は6月の権利付き最終売買日です。6月/12月決算企業にポジションを振り分けていたら倒産株に手を出す余裕はありません。3月期決算企業の株主総会の集中週でもあります。6/26火は342社の株主総会があり、全上場企業数約3600社に対しておそよ9.5%。6/27水は422社(11.7%)、6/28木は690社(19.1%)となっています。
この3日間だけで全上場企業の40%の株主総会が開催されます。
あらゆる要素がすべて詰め込まれた投資家にとって今年一番忙しい1日。
それが6月26日(火)でした。どう考えても間が悪すぎる!
寄り付きの値段が高すぎた
寄り付き79円は明らかに高すぎて買いにくい水準でした。
祭り待ちとしては20円以下を期待したのかもしれませんが、浮動株数を考慮した私の想定では30円台、高くても50円台前半だろうと考えていたので79円は明らかに高すぎる位置でのスタートでした。
寄り付き13:03:26 79円 306万4500株
高値 13:10:36 87円 900+1800+300+1500(合計4500株)
安値 14:20:23 59円 100+4200+1000+100+100+1000(合計6500株)
大引け 15:00:00 77円 7万5200株
出来高 1054万6900株
売買代金 8億361万円
VWAP 76.194(寄り付きを除くと75.043)
前日の逆日歩はMAXの2円を付けました。
10倍逆日歩回避のためか制度信用では売り玉、買い玉ともに返済が進みました。
6/26の信用残高速報(括弧は前日比)
売り残高 237900(-90500)
買い残高 50600(-53100)
差し引き -187300(+37400)
貸借倍率 0.212(-0.103)
翌日発表された情報によると、6月26日(火)の逆日歩はMAXの30円でした。
終値77円に対して38.96%相当です。
売り方は、相場格言どおり「頭と尻尾はくれてやれ」が正解でしたね。
今後も毎日10円付くなら売り方は決済を考えなければなりません。
そして、浮動株数の少なさが影響して株価1円を拝むことはないかもしれません。
今のところ出来高、値動きともに勢いが感じられません。
(追記ここまで)
初めての株主総会出席マニュアル
2018年3月期決算の企業から続々と定時株主総会の招集ご通知が届いて来ています。
土日開催の企業もあり、初めて株主総会に参加してみようと考える個人投資家さんもいるかと思います。
そんな個人投資家さんに快適な株主総会を過ごしていただくために、株主総会の流れや見どころ、注意点を説明していきたいと思います。
題して、
初めての株主総会出席マニュアル
事前準備
☑ 日程
まずは日程の確認です。大半の企業は平日の午前10時スタートですが、株主が参加しやすいように午後に設定している企業もあります。まずは日程を再確認しましょう。
☑ 会場への移動ルート
日程の確認ができたら、開催時間に合わせて移動計画を練ります。ここでは、鉄道を利用して都内の会場へ移動する想定で話を進めますが、鉄道を利用する際に知っておきたいのがお得な乗車券の存在です。
☑ お得な乗車券
投資家御用達のお得な乗車券は2種類あります。
・東京23区内のJR系普通列車が乗り降り自由な『都区内パス』大人750円
・東京メトロ全線が24時間乗り降り自由な『東京メトロ24時間券』大人600円
東京メトロ24時間券は最初の入場から24時間有効なので、午後開催と翌日の午前開催を1枚で済ますことができます。それぞれ駅の券売機で購入できます。
☑ 移動時間の見積もり
ほとんどの会場は駅の案内板で確認ができ、出口から会場へ向かうポイントごとに社員さんが誘導員として配置されていたりもするのでそれほど迷うことはありません。どちらかというと駅構内での移動の方が迷いやすく時間を取られます。
招集ご通知の案内を参考に、15分前に会場へ到着するぐらいがオススメです。
10分程の余裕があれば電車を一本見送ってもなんとかなります。
当日の準備
☑ 持ち物
必須なのは議決権行使書ぐらいですが、たいていは封筒ごと持っていきます。
☑ 議決権行使書
(届けられた状態のままで持っていきます。記入もシールも切り取りも不要です)
☑ 招集ご通知
(会場に同じものが用意されていたりするのでなくても困りません)
☑ 大きめのカバン
(企業のロゴ入りの袋に入れたお土産を渡されることがあります)
☑ ノートとペン
(気になったことや質疑の内容を書きとめておきましょう)
☑ 服装
服装は普段着で全く問題ありません。天候や体調に合わせて楽な服装を選択すると良いでしょう。他の株主さんとの距離が近いので、清潔感と臭いには気を使ってください。
いざ、株主総会へ!
☑ 駅から会場への移動
駅から会場へのポイントに案内の人が立っていることが多いです。道がわからなければ気軽に声をかけてみましょう。
☑ 受付
受付を視認できたタイミングで議決権行使書を取り出し、持参した議決権行使書を渡します。受付手続きは10秒足らずです。
☑ 着席
混雑具合によって自由席だったり、係員に誘導されたりします。
☑ 株主総会の流れ
どの会社もだいたいこんな感じになります。
☑ 開会
☑ 行使された議決権数の発表
☑ 監査報告
☑ 報告事項(事業報告、損益計算書、貸借対照表、対処すべき課題)
☑ 議案の上程
☑ 質疑
☑ 採決
☑ 閉会
☑ 新任取締役の紹介
全てが20分で終わる企業(いわゆるシャンシャン総会)もあれば、2時間を超える企業もあります。有名企業ほど質問が絶えず、2時間前後かかることが多いです。
基本的に途中入場や途中退室ができます。
☑ 質疑で指名されるコツ
質問者が多い場合には必ずしも全員が指名されるわけではありません。指名されるコツを簡単にまとめてみます。
☑ 議長から見える距離にいる
(前列のポジショニングが大事です。早めに会場に入り、好位置を狙いましょう)
☑ 表現しやすい
(赤いTシャツの方、帽子の方、のように表現しやすく他人とかぶらないのが理想)
☑ 女性である
(女性というだけでかなり指名されやすいです)
☑ はい!と返事をしながら手を挙げる
(元気が良いとそれだけで目立ちます)
☑ 株主総会で何を見たらいいのか
私が考えるポイントがいくつかあるので紹介しておきます。
------------------------- 編集中 ------------------------
【1606】日本海洋掘削についての考察/銘柄分析
【1606】日本海洋掘削に何があったのか
2018年3月期決算で債務超過となってしまった日本海洋掘削に、いま何が起きているのか。私が調べた範囲でまとめてみました。
まとめてみたら、かなり長くなってしまったので流れを簡単に述べておきます。
1、原油高で景気の良いときに、完成後リースをしてもらうつもりでリグを発注
2、発注から間もなく原油相場の下落が始まり、海洋掘削市場が低迷
3、リグの納期を延期し、その間に掘削契約の受注を試みるも叶わず
4、取り決めにより、リース予定のリグと諸費用を一括で負担し買い取ることに
5、さらにリグの減損やら各種引当金を積んだら債務超過になってしまった
6、財務悪化をトリガーにさらなる将来負担の見込みが発生
7、お金がない、大株主も増資に応じない、銀行も貸してくれない
8、リグを発注した当事者たちが引責辞任という形で後任に処理を丸投げ
9、新任の社外取締役候補の専門分野が「事業再生と倒産処理」
10、7~9が判明した時点から株価が連日下落している ←今ここ
※6月22日追記ここから
11、会社更生手続開始の申立て等に関するお知らせ(やっぱり無理でした)
※追記ここまで
これだけでどんな状況かは察してもらえると思います。
1~6までは4月26日の適時開示資料に詳しく述べられています。
平成30年3月期通期連結業績予想の修正等に関するご説明とお詫び
暴落の発端となったのは6月7日の2つの適時開示です。
「平成30 年3月期 決算短信 〔日本基準〕(連結)」の一部変更について
この2つの適時開示を合わせて読むことで、何かが起きそうだと感じた人が出てきても不思議ではありません。
そういうわけで決算資料を深掘りして日本海洋掘削を取り巻く環境を整理してみたいと思います。
2018年3月期決算をざっくり読み解く
平成30年3月期決算短信[連結]によると
売上高 202億円
営業損失 114億円
経常損失 120億円
純資産マイナス155億円(債務超過)
自己資本比率 マイナス23.4%
一株当たり純資産 マイナス914.7円
となっています。ぶっちゃけかなりひどいです。
損失の大部分は、保有している海洋掘削機械である『リグ』にまつわるものです。
1、HAKURYU-12に係るリース契約損失引当金 51億円
2、HAKURYU-15の建造プロジェクト損失引当金 171億円
4、本業である海洋掘削事業の営業赤字 116億円(1の51億円も原価として含む)
ざっくり2+3+4を計算してみても430億円超の損失、本業が儲からなくなったためにリグの減損損失を計上し、財務が悪化したことで過去の契約についても損失引当金を計上するという負のドミノ倒しが見受けられます。これらが一気に噴出したことで驚異的な赤字になったようです。
次に、大赤字の原因となっている海洋掘削機械のリグについて調べてみます。
海洋掘削機械『リグ』について
海洋掘削事業やリグについての詳細は日本海洋掘削のウェブサイトで詳しく説明されているので、ここでは資産としてのリグの価値に焦点を当ててみます。
日本海洋掘削の保有するリグと船齢一覧
日本海洋掘削が主に運用していると思われる白竜(HAKURYU)シリーズについてまとめてみます。
1958年建造 HAKURYU-1(白竜号→第一白竜に改名)
1971年 石油資源開発より購入
1986年 廃船、売却
1971年建造 HAKURYU-2
1971年 石油開発公団より借り受け
1983年 石油開発公団より譲り受け
1988年 廃船、売却
1974年建造 HAKURYU-3(NAGA 1に改名)
2017年 売却
1975年建造 HAKURYU-4
1988年 売却
1977年建造 HAKURYU-5
2009年 大規模改造
2014年 大規模改造
1978年建造 HAKURYU-6
1988年 売却
1981年建造 HAKURYU-7(SAGADRIL-2に改名)
1981年建造 HAKURYU-8
2014年 持ち分を譲渡し合弁関係解消
1984年建造 HAKURYU-9(SAGADRIL-1に改名)
2008年建造 HAKURYU-10
2013年建造 HAKURYU-11
2015年建造 HAKURYU-12
2015年 東銀リースよりリース契約
HAKURYU-13 欠番
2018年建造 HAKURYU-14
2019年建造 HAKURYU-15
※太字は現在の運用リグ
参考資料:日本海洋掘削の沿革 | Stockclip、決算説明資料
現在の運用リグ状況をまとめてみます
1977年 HAKURYU-5(大規模改造済)
1981年 HAKURYU-7(SAGADRIL-2)
1984年 HAKURYU-9(SAGADRIL-1)
2008年 HAKURYU-10
2013年 HAKURYU-11
2015年 HAKURYU-12(リース)※リース契約損失引当金 51億円
2018年 HAKURYU-14 ※2018/7/31 179億円支払い予定(資金の目途立たず)
2019年 HAKURYU-15 ※建造プロジェクト損失引当金 171億円
上記のとおり、所有リグ6基、リース1基、リース予定1基となっています。
東銀リースは旧東京銀行(現三菱UFJ銀行)系のリース会社です。
換金可能な資産という意味では10号、11号、14号ぐらいだと思いますが10号、11号は2019年3月期にも操業契約が残っているので厳しそうです。未稼働の14号がどう転ぶかに社運がかかっているとも言えます。
世界で稼働するリグを取り巻く環境
決算説明資料によると2018年3月時点で世界全体の総リグ数は874基。
稼働リグ数は499基で稼働率は57.1%
1年間で市場から退出したリグの平均船齢は34.6歳とのことです。
逆算すると1983年以前のリグは引退年齢ということになります。
資料を見るとオイルショック後に量産されたリグの更新需要と、近年の原油相場の高止まりがフィットして新造リグが大量に供給されました。現在もリグは建造され、明らかに供給過剰に陥っています。
日本海洋掘削の財務諸表
平成30年3月期決算短信[連結]の連結貸借対照表から財務を見ていきます。
財務健全性の指標とされる流動比率。
流動資産 494億円(2017年) → 294億円(2018年)
流動負債 173億円(2017年) → 606億円(2018年)
流動比率 285.54%(2017年) → 48.51%(2018年)
前年同期の数字と比べると変化の大きさが際立ちます。
これだけでかなり切羽詰まってる状況がうかがえます。
流動負債の中でも特に大きいのが未払金の182億円。
7月31日までに支払わなければならないHAKURYU-14の割賦代金179億円+αです。
そしてリース契約損失引当金の80億円に建造プロジェクト損失引当金の171億円。
引当金だけで251億円を計上していますが、流動資産の現金及び預金は172億円。
キャッシュフローで困窮しているのは一目瞭然です。
固定資産409億円のうち、機械装置及び運搬具が379億円を占めています。
おそらくHAKURYUシリーズでしょう。ダブついたリグ市場で換金するのは難しそうですね。しかも、このうち55億円分はすでに担保として供されています。
※6月15日追記
6月14日に新たに公開された資料の重要な後発事象に関する注記によると、
5月25日付で、HAKURYU-11に係る有形固定資産137億円を長期借入金108億円の担保として提供したとあります。金融機関の側も債権保全せざるを得ない状況です。
※追記ここまで
次に注目したいのは財務活動によるキャッシュフロー。
短期借入金の純増減額 ゼロ
長期借入金の返済による支出 28億円
社債の償還による支出 7億円
手元資金が必要な状況なのは貸借対照表で見たとおりですが、短期借入金も長期借入金も増えていません。明らかに貸し渋っています。資金繰りのピンチです。
それどころか財務制限条項によりタームローン契約とリース契約が解除されようとしています。7月20日まで猶予された金額はなんと270億円!
財務制限条項は「決算期末の連結株主資本150億円以上の維持」となっています。
直近の数字はマイナス155億円でした。
絶対値でもいいですか?とはさすがに怖くて聞けません。
しかもこの財務制限条項は2017年3月期決算の大赤字を受けて同年4月21日及び4月25日に契約条件を緩和してもらった後のものなのです。緩和前の条件では150億円ではなく400億円だったり、2期連続の営業損失・経常損失を計上しないこととなっていました。
この条件を守れなかった上に倍プッシュでさらに金を貸してくれとはさすがに言えないでしょう。
その後、2018年4月26日に期限の利益喪失に係る権利行使を2018年7月20日まで猶予してもらう約束を取り付けましたが、この3ヶ月の猶予期間を使って経営陣が下した決断は、当事者を引責辞任させて後任に後処理を丸投げすることでした。旧経営陣は匙を投げ、敵前逃亡することに決めたのです。
人事異動という名の敗戦処理
冒頭で提示した人事異動の資料を見てみましょう。
・代表取締役社長(全般統理、経営補佐部門管掌)
・代表取締役 副社長執行役員(社長補佐、環境安全室・掘削技術事業部担当)
・取締役 副社長執行役員(社長補佐、経営企画室・内部監査室担当)
・取締役 専務執行役員(営業統括部門管掌)
・常勤監査役
・専務執行役員(掘削事業部門管掌、新リグ建造室担当)
・常務執行役員(人材育成室・情報収集室担当、日本マントル・クエスト代表取締役社長)
石油資源開発は30.97%を保有する筆頭株主で、国際石油開発帝石は6.4%を保有する第三位の株主です。(第二位は20.05%を保有する三菱マテリアル)
日本マントル・クエストは地球深部探査船「ちきゅう」の運営管理を行っています。
引責辞任と言うにはさすがに重要ポストが多すぎます。そもそも赤字の発端となったリグの始末も終わってないうちに、そのリグの発注関係者が要職を辞するのは異常事態です。「ちきゅう」関連の日本マントル・クエスト社長である常務執行役員まで退任してしまうことには強い違和感を覚えます。
新任取締役候補も見ていきましょう。
・代表取締役社長執行役員(全般統理、経営企画部・経理部担当・情報開示担当)
・代表取締役専務執行役員(社長補佐、総務部・内部監査部担当、リスク管理・コンプライアンス担当)
・取締役常務執行役員(操業管理部・各事業所・シンガポール事業所・HAKURYU-14/15 操業準備室担当、操業管理部長)
・取締役常務執行役員(営業部担当、営業部長)
・取締役執行役員(環境安全部・エンジニアリング事業部担当)
・社外取締役(弁護士)
・常勤監査役
・執行役員(ドーハ事業所長兼HAKURYU-10 オペレーションマネージャ)
・執行役員(HAKURYU-5 事業所長)
・執行役員(総務部長)
・執行役員(技術部・新リグ建造室担当)
事業部・室の統廃合が行われ、HAKURYUの文字が躍るようになりました。
また社外取締役に弁護士が就任します。タイミングを考えてもこれから会社に起こるであろう出来事の専門家であるに違いありません。
社外取締役 弁護士 鶴巻さんの専門を探る
著書やブログやフェイスブックを見ればこの弁護士さんの強みがわかると思うので深堀りしてみましょう。
▼著書(一部執筆含む)
・貸金業務取扱主任者完全攻略・テキスト&実践問題集
・個人情報保護士試験<完全対策>
・個人情報流出対応にみる実践的リスクマネジメント
・民事再生申立ての実務(ぎょうせい)
・保証契約の法律相談〔第三版〕(青林書院)
・通常再生の実務Q&A120問―全倒ネットメーリングリストの質疑から(きんざい)
・反社会的勢力リスク管理の実務(商事法務)
▼ブログの説明
担保執行法・事業再生及び倒産処理・情報ネットワーク法・民事介入暴力対策などについて気がついたことを書くblogです。
担当科目:事業再生と倒産法
専門分野:民商法・倒産法・情報法
フェイスブックでは反社会勢力の記事への言及が目立ちますが、他にも破産債権や担保権、債権保全、抵当権という用語が見受けられます。ブログの説明が最もストレートに専門分野を表現しています。
HAKURYUのリース契約と事業再生に期待されているのではないでしょうか。
まとめ、これから起こりそうなこと
最後は日本海洋掘削についてこれから起こりそうな出来事を私が妄想して書いていきます。ここまで読んでくれた方は妥当なシナリオだと感じてもらえると思います。
シナリオ1
・株主総会までなんとかやりすごして7月の新体制へ
・「ちきゅう」の運営部門はスピンオフ、日本マントル・クエストの持ち分も売却
・SAGADRIL-1/2は譲渡
・遅くとも8月中には民事再生法の適用申請へ
・100%減資
・上場廃止
・クソ株大賞2018「伝説」部門と「投資」部門のダブル受賞
シナリオ2
・株主総会の議案で超規模増資案が提示され無事生き延びる(希薄化で株価は暴落)
リース契約の取り決めで会社としては想定していなかった莫大な金額をまとめて用立てられたとしても、外部環境が回復途上の本業で埋めるのは現状ではかなり難しいと感じました。
リグを保有した上で掘削契約を受注していくビジネスモデルは、外部の需要によって業績の変化が激しく、厳しかったのではないかと思います。しかも世界のリグ総数に比べるとわずか1%のシェアしかありませんし、未稼働のリグは世界に数百基もあり、あえて財務的に苦境にあるこの会社に仕事を発注するインセンティブはなさそうです。
特定用途のために設備を保有して受注していくビジネスモデルというと、エルピーダやジャパンディスプレイを連想してしまいますが、世界シェアが1%ということはありませんでした。
本邦唯一の海洋掘削専門会社という文言も、裏を返せば業績が不安定で誰もやりたがらない仕事なのかもしれません。
これだけの悪材料がありながらマーケットでは時価総額250億円という価格が付いているのも驚きですが、増担保規制と貸株注意喚起のみで売り禁にもならずに制度信用で空売りできることに二度ビックリです。今後の行く末を見守りたいと思います。
※6月15日追記
6月14日、日証金により6月15日以降の制度信用取引の新規売り禁止措置が発表されました。
※追記ここまで
※6月17日追記
6月7日の適時開示を受けてかゴールドマン・サックスが空売りに参戦してきました。
スパークス系の投信は2月から目をつけていたようで続々と売り参戦してきています。
2018/02/21 SPARX Long-Short 0.540% 97,700株 NEW
2018/03/13 SPARX Long-Short 0.620% 112,800株 +15,100
2018/03/28 SPARX Long-Short 0.750% 136,700株 +23,900
2018/04/20 SPARX Long-Short 0.800% 144,500株 +7,800
2018/03/22 SPARX Symphonia 0.530% 95,400株 NEW
2018/05/28 SPARX Symphonia 0.680% 122,400株 +27,000
2018/05/31 SPARX Symphonia 0.740% 133,900株 +11,500
2018/06/11 SPARX Symphonia 0.820% 148,100株 +14,200
2018/04/06 SPARX Medium L&S 0.530% 95,600株 NEW
2018/04/16 SPARX Medium L&S 0.600% 108,900株 +13,300
2018/05/16 SPARX Medium L&S 0.730% 132,200株 +23,300
2018/06/11 GOLDMAN SACHS 0.590% 106,319株 NEW
2018/06/12 GOLDMAN SACHS 0.640% 116,019株 +9,700
以上、4社合計で空売り残高は540,819株、発行済み株式総数1800万株の3%強に及んでいます。
日本取引所の空売り残高情報によるとMedium L&Sは「ミディアム・レバレッジドL&Sマザーファンド」、Symphoniaは「シンフォニア 適格機関投資家限定」とあります。シンフォニアは年金や金融機関向けの私募ファンドでかなりガチな雰囲気がします。
都合のいいことに、スパークスのロングショート系投信の月次報告書にそれっぽい記述があるのでまとめてみます。
▼2月 月次報告書
設備稼働率が低下し、期間損失が発生しているうえに大規模な設備投資が完成し、資金繰りにも懸念が生じた企業などに注視してショート投資を行なってまいります。
▼3月 月次報告書
期間損益の悪化だけでなく事業環境の悪化が長期化したことで、中期的な事業プランに大きな変更が生じ、資金繰りにも懸念が見込まれるようになった企業には、ショート投資を増やしていく方針です。
▼4月 月次報告書
業績とは無関係な新聞報道で株価が上昇した企業に対しても、ショート投資を増やしました。その後、事業環境の悪化が長期化したことで機械設備の減損に伴う業績下方修正が発表され、株価は下落基調に戻りましたが、実態価値と時価総額には依然として大きな隔たりがあると考え、ショート投資を継続しています。
このショート投資が日本海洋掘削を示していることは疑う余地がありません。
※追記ここまで
※6月15日追記
6月14日に定時株主総会の招集ご通知が公開されたのでこれについても簡単に加筆したいと思います。
2018年3月期定時株主総会招集ご通知を読み解く
2018年3月期定時株主総会招集ご通知が公開されました。
2017年3月期定時株主総会招集ご通知と比較して変化を読み取っていきます。
昨年は5月29日に資料が公開されましたが、今年は6月14日と大幅に遅れました。株主総会の2週間前までに株主に資料が届くのが普通なのでギリギリのスケジュールです。
慌てて資料を作成したのか2018年の招集ご通知のpdfはモノクロになっています。
40分程度の株主説明会は毎年恒例のようです。
2017年 2018年
資料公開 5月29日(月) 6月14日(木)
日程 6月22日(木) 6月29日(金)
お土産 お菓子? ありません
重要な子会社の状況では「ちきゅう」関連の会社が2つ追加されています。
過去の資料を遡ってみたところ、対処すべき課題の部分で面白い発見をしました。
2010年には『平成22年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2011年には『平成23年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2012年には『平成24年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2013年には『平成25年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2014年には『平成26年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2015年には『平成27年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2016年には『平成28年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を、
2017年には『平成29年度を初年度とする3ヶ年の「中期経営戦略」』を設定し、
2018年となる今年は「中期経営戦略」という文言はおろか「中期」という単語自体が消滅しました。2009年の上場から毎年設定されていた3ヶ年の中期経営戦略とは何のために設定していたのか、誰か株主総会で聞いてみてください。
そして、2018で追加された文言で私にとって最も印象的だったのが次の一文です。
<株主の皆様へ>
例年、定時株主総会終了後お届けしておりました「JDC Business Report」について、本年は発送を取りやめさせていただくことになりました。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
前年のカレンダー廃止に続き、株主総会のお土産も廃止、果てはBusiness Reportまで廃止してしまいました。
カットしたいのは経費なのか、株主との関係性なのか、判断に悩むところです。
以上が、日本海洋掘削についての私の考察です。
おわりに
私は普段、ここまで詳細に資料を読み込むことはありません。 ポートフォリオの組み入れ金額1位の銘柄でも資料ひとつを隅々まで読んだりはしません。そんな人間の何かを突き動かす要素が、この会社の最近の適時開示資料のどこかにあったのかもしれません。調べれば調べるほど、私がこの会社の株主名簿に登録されていないのが残念でなりません。幸か不幸か株主総会に参加できる株主さんは、私の分までこの会社を見届けてきてください。
長々と読んでいただき、ありがとうございました。